防衛省は3日、中国海警局のヘリコプターが沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領空を侵犯したと発表した。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したという。中国海警局のヘリによる尖閣周辺での領空侵犯は初めて。
防衛省や海上保安庁によると、3日昼ごろ、尖閣沖の領海に中国海警局の船が4隻侵入。うち1隻から搭載ヘリが飛び立ち、午後0時21分から36分まで約15分間にわたり領空侵犯した。
複数の政府関係者によると、日本の民間機が直前に尖閣諸島周辺の上空を飛行しており、中国側はそれに対応する動きだった可能性があるという。
防衛省によると、中国機による日本領空の侵犯を確認したのは昨年8月以来4回目で、うち尖閣諸島周辺では3回目。尖閣ではこれまでドローンなどの飛行はあったが、海警局のヘリの飛行は確認されていなかったという。
中国海警局は東シナ海や南シナ海などでのパトロールを担う組織。習近平指導部が発足した直後の2013年、それまで乱立していた海上保安機関を統合して設置され、態勢を拡充した。近年、急速に船舶の大型化や武装化を進めており、尖閣諸島周辺での航行の態勢も強めている。
■日本側「厳重に抗議」…